東海愛知新聞バックナンバー

 11月16日【日】
防災リーダー塾

「減災」目指し図上訓練

東海地震を想定 40人受講
岡崎市

大規模災害から身を守り、地域の危険個所を把握して万一の場合に備えようという「あいち防災リーダー塾」(太田貴代子塾長)が15日、岡崎市福祉会館で開かれた。応募のあった高校生から70歳代まで約40人が受講。東海地震を想定し、地図上で地域の危険個所などを確認しながら、防災への取り組みを話し合った。

あいち防災リーダー会とNPO法人21世紀を創る会・みかわ(会長・伊藤公正岡崎商工会議所会頭)が主催。この日は今年度3回目で、DIG(ディグ)と呼ばれる図上訓練が行われた。DIGは「ディザスター=災害」「イマジネーション=想像力」「ゲーム」の略。

受講者は4つのグループに分かれ、まず愛知、静岡、三重の東海3県の5万分の1の地図を広げた。市町村の境は紫、道路は茶色、鉄道は黒、学校や公園は緑、工場はピンク、田畑などは黄色と色分け。顔を寄せ合って地図上に線を引いたり、工場地帯、山間部など地域によってどんな特徴があるかを書き出したりした。

このあと大地震の発生と、これに伴う津波などを想定し、鉄道、道路、ライフラインや経済活動の被害を話し合った。次に愛知県、さらに三河地方と地図を拡大しながら、同じ作業を繰り返した。

受講した男性(57)は「これまでの講義などで自分の危機意識が低かったことを痛感した。具体的な対応を考えることで、自分の身は自分で守ることを学びました。塾での体験を家族や友人、知人にも伝えたい」と話し、「10代、20代の若者がもっと参加してくれたら」と訴えた。

塾長の太田さんは「この塾は、ふだんから災害に備え、万一の場合に被害を最小限にする『減災』が目的。今後もこうした塾を開き、幅広い市民に参加してもらうことで防災意識を高めたい」と話していた。

あいち防災リーダー会
県が平成14年度から18年度まで5年間にわたって開催した「あいち防災カレッジ」を卒業した人たち約700人で組織。防災リーダー塾は、昨年度は県が主催したが、今年度から同会などが中心になり、名古屋会場と岡崎会場で10月から今月末まで計4回開かれている。

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