東海愛知新聞バックナンバー
 9月6日【土】
集中豪雨から1週間
岡崎の被災地 懸命に続く復旧作業

先月29日未明の記録的な集中豪雨から1週間が過ぎた。豪雨の被災地は当初に比べ、落ち着きを取り戻しつつあるが、被災者が元の生活に戻れる見通しは不透明のまま。依然として復旧作業は続いている。

被害が大きかった地域の一つで、はんらんした伊賀川の水が押し寄せ、多数の家屋が床上浸水した伊賀町。既に元の姿を取り戻している伊賀川とは対照的に、川沿いの同町では被災者やボランティアらによる懸命な復旧作業が続く。

一時、道路に山積みになった大量のごみは市の収集車などによる回収でかなり減り、水が引いた後に残った道路の泥も多くが取り除かれた。しかし被災者の多くは、一刻も早く元の生活を取り戻そうと、浸水した家屋内の掃除や改修に追われている。

ある家屋では、写真といった思い出の品や高価な液晶テレビなど、水没しても捨てるに捨てられない品々を乾かしている風景も。水没後、泥が乾いて土だらけになった乗用車も数多く残る。

ボランティアに感謝
7日で支援センター閉鎖

女性(84)が1人で暮らす2階建て住宅。1階は2メートル近くの浸水で完全に水没し、女性は被災後、浸水を免れた2階で生活している。

29日から連日、女性の復旧作業を手伝っている六供町の従兄弟の男性(70)は「1階の家財道具などが水没し、すべてゼロになった」と途方に暮れる。

幸い復旧作業は順調に進んでいるといい、駆けつけたボランティアに対し、「自分たちだけでは縁の下にたまった泥出しが限界。昨日(4日)から来てくれている多くのボランティアには本当に感謝している」と話す。

集まったボランティアを被災者宅などに派遣してきた市防災ボランティア支援センターは、5日にボランティアの募集を打ち切り、7日にセンターを閉鎖する。男性は「必要なくなるまでボランティアを派遣してほしいのが本音」。復旧のめどは立っていないというが、「(めどを)立てるしかない。人に頼ってばかりはいられない」と作業に戻った。

三河橋の撤去が完了

集中豪雨で崩落した竜泉寺川に架かる三河橋(岡崎市蓑川新町)の撤去作業が5日、完了した。

31日から今月4日まで、落下した橋げたなどをクレーン車で撤去。5日は土がむき出しになった左岸側に大型土のうを積み上げる作業が行われた。

市によると、同橋から下流約150メートルに砂田橋があり、今回は車が通行できる仮の橋は設置しない。橋の復旧は、国からの補助金を受けるための災害査定を待って着手することになり、数年かかる見込み。

市は「三河橋は名鉄美合駅へ続く住民の重要な生活道路。1日も早い復旧を目指したい」としている。

5日は、災害で損壊した橋などを査定する国交省河川局防災課の総括災害査定官ら6人が三河橋などを訪れ、緊急調査を実施した。




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