東海愛知新聞バックナンバー
 2月1日【金】
昨年の交通事故死ゼロ
幸田町全体で安全意識高まる

幸田町の交通事故による死者が昨年、市町村別死者数の統計記録が残る昭和44(1969)年以降、初めてゼロになった。国道23号の開通で、町内を通過する車両が減った可能性があるなど、いくつかの要因が考えられるが、町全体の交通安全への意識が高まったことが主な要因としてあげられる。
 一昨年の平成18年12月、交通事故による死者数の平均が年間3・8人の幸田町で、わずか1カ月の間に死亡事故が立て続けに3件発生し、3人が亡くなった。事態を重くみた町は、近藤徳光町長による「交通死亡事故抑止緊急アピール」を行うとともに、同月開かれた区長会で協力を依頼。主要交差点に町民、町職員、議員が立つなど、全町一丸となっての取り組みを始めた。
 こうした動きは企業にも反映され、町内に工場を持つ大手企業が、地元に対して交通安全をアピールしていこうと、従業員一人ひとりに安全運転の誓約書をとって、模範運転をするよう意識付けを強めた。従業員たちもこれに賛同し、外国人は外国語で「私は交通ルールを守ります。事故を絶対に起こしません」と書いて、模範運転を示した。
 一方、岡崎署では、蒲郡市や西尾市に抜ける道で、飲酒の検問に力を入れた。また、9月には役場前の駐車場で、西三河7警察署合同の「交通死亡事故抑止取り締まり・広報部隊出動式」を開くなど、中締めをして警戒を続けた。
 この結果、統計が残る39年間分の中に、平成19年、初めてゼロが記録された。同町の山田恭二総務部長は「交通事故による犠牲者はなかったものの、事故の総数は増加している。今後も悲惨な事故が起こらないように、全町あげて安全意識を継続させていきたい」と話している。





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