東海愛知新聞バックナンバー
 8月17日【金】
健康食品で被害訴え
中国製カプセル飲んだ女性
未承認の成分を検出
岡崎市

 岡崎市内のエステティックサロンから購入した中国製健康食品のカプセルを飲み続けた同市内の女性(30)が6月末に動悸(どうき)や手足のしびれなどを発症していたことが16日、分かった。女性の症状は7月中旬にはなくなり現在は回復しているが、女性の健康被害の訴えを受理した市保健所はエステ店に健康食品の仕入れルート、仕入れ量、販売先などの報告書を提出するよう求めている。
 保健所によると、女性は5月末にエステ店=女性(47)経営=から、ダイエット効果を謳(うた)い、1箱60個のカプセルが入った中国製健康食品「美秀堂」(1箱1万5千円)を2箱購入。カプセルを1日2個飲み続けて2箱目を飲み始めた6月末、動悸や手足のしびれなどの症状が現れたため、先月12日に保健所に被害を届け出た。
 保健所がカプセルの中身の成分を分析した結果、国内では承認されておらず、中枢神経を刺激して食欲を抑制するシブトラミン9.2ミリグラムと、承認されているが、狭心症やショックなどの副作用の恐れがある甲状腺末の医薬品成分2種類を検出した。
 医薬品成分を含むカプセルを無許可で販売していたエステ店は、薬事法(無許可医薬品の販売授与等の禁止)違反に当たるが、保健所は「悪質とは言えない」として告発しない方針。
 調べでは、エステ店は1月から5月にかけて、滋賀県大津市の女性が中国・上海の友人から個人で輸入した美秀堂20箱を仕入れ、電話で注文があった顧客への代引き配達などで完売。これまで他に体の異常を訴えた購入者はいないという。カプセルが入っていた箱には住所や連絡先の記載がなく、製造元は「康仕源国集団有限公司」となっていた。
 保健所はエステ店に対し、美秀堂の購入者の健康状態の確認を指示する一方で、顧客リストから購入者を特定し、カプセルの摂取をやめるよう連絡。合わせて生活衛生課公衆衛生班に相談ダイヤル(23―6187)を設置した。





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