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東海愛知新聞

「純情きらり」ができるまで

NHKチーフ・プロデューサー銭谷さんが講演   岡崎市

岡崎大学懇話会(会長・永田靖章岡崎女子短期大学学長)は6日、コミュニティ・サテライト・オフィス開設2周年記念事業の第2弾として、4月3日から放映されるNHK連続テレビ小説「純情きらり」担当の銭谷雅義チーフ・プロデューサーを招いて講演会「八丁味噌(みそ)を舞台にした『純情きらり』ができるまで」を開いた。
 午前中、ドラマのロケに立ち会ってきたという銭谷プロデューサーは、撮影が順調に進んでいると話したあと、番組PR用に作られたビデオを先行上映して会場に詰めかけた約200人の市民らを喜ばせた。
 銭谷プロデューサーは名古屋勤務の経験があり、朝ドラ担当になったとき愛知を舞台にしたいと考えたと、終始楽しそうに語った。また、戦後の岡崎は取り上げられるのかなど、来場者からの質問にもていねいに答えていた。
 締めくくりにカクキュー八丁味噌社長の早川純次さんがあいさつ。子役の美山かれんちゃんが味噌樽の中に落ちるシーンを撮ったあと、早川さんの家の風呂で汚れを落としたというエピソードを披露した。
 宮城県の実家が、同じ「山長」の屋号で石材業を営んでいるという市内柱曙の公務員犬塚百合子さんは「不思議な縁を感じてドラマを応援しています。ドラマになる過程やタイトルのことなどが聞けてよかった。見てくれるようみんなにPRします」と張り切っていた。

《講演要旨》
朝ドラの舞台

 朝の連続ドラマの舞台には、「おしん」などの東北や「おはなはん」などの四国を舞台にした作品が多い。愛知県の場合、大河ドラマの常連、信長、秀吉、家康の出身地であることが朝ドラの舞台になりにくかった。

脚本家と主役
 脚本の浅野妙子さんとは、以前一緒に仕事したことがあり、高く評価していたので声をかけたところ、津島祐子さんの『火の山―山猿記』をドラマ化したいと言われ、この作品に決めた。
 主役も浅野さんのドラマに出演してもらった宮崎あおいさんを予定した。これまで朝ドラの主役は、オーディションで選ぶことになっていた。ところが宮崎さんは、主演映画の評判がよく人気も出てきてオーディションで落選というわけにいかなくなり、今回はオーディションなしで主役を決めた。

名古屋対岡崎
 原作者の津島さんに会ったのは平成14年12月14日。名古屋を舞台にしたいと言ったら、津島さんが名古屋弁ではと難色を示した。そこで岡崎が浮上した。岡崎出身のディレクターが「江戸弁のルーツは三河弁だから岡崎では共通語を話している」と太鼓判を押してくれた。言葉の問題が解決して岡崎に本決まりになった。

タイトルのこと
 朝ドラのタイトルにはジンクスがある。「おしん」のヒット以来、ひらがな3文字がいいとか、カタカナはだめとか。
 候補として「命果つるとも」「恋わたる」「夢燦々」など文芸もの風、「さくら組曲」「桜子が行く」など主人公を表すもの、「純情協奏曲」「愛のソナタ」など音楽に関するものが出てきた。物語のイメージとして「純情」がふさわしいこと、輝くドラマにしたいとの願いから「純情きらり」に決まった。

八丁味噌とジャズ
 昨年の1月、浅野さんとスタッフで内々に岡崎を訪問した。地場産業の石屋さんの様子や町並み、八丁味噌の仕事場や蔵を見たが、石屋の仕事場をスタジオ内に作ることは無理と思った。味噌蔵には歴史を感じた。原作の重厚さが生かせると思い味噌屋の話に決めた。
 岡崎がジャズに力を入れていることは知らなかった。ジャズの明るさやテンポが主人公の生き方につながると思い取り入れた。

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