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東海愛知新聞

気持ちは前向きに

がん闘病中 FMおかざきの成瀬さん

気持ちは前向きに―。FMおかざきパーソナリティーの成瀬ゆうみさん(47)が、がん(悪性リンパ腫)闘病体験をもとに、リスナーやがん患者らにさまざまなメッセージを届けている。特にがん発症に伴う精神的な不安の解消と周囲のサポートについて思いを込める。(竹内雅紀)

成瀬さんの正式な病名は「縦隔原発性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」。心臓や肺、肋骨付近に赤ん坊の頭ほどの大きさの腫瘍ができ、肺付近には水がたまる状態だった。

昨年夏ごろに「ピリピリした痛み」を感じ始め、痛む場所や種類が変化。疲れやすい、左手が挙がらない、呼吸が浅く声が出にくいなどの症状があり、主に左上半身に不具合が生じていた。突発的な痛みは日ごとに増したが「仕事に穴をあけたくない」との思いから仕事は続けていた。しかし、痛みが治まらず秋に受診したところ、悪性リンパ腫が発覚。抗がん剤治療を受けるため、愛知県がんセンター愛知病院(岡崎市欠町)への入院が決まった。

10月19日から今年3月10日までの143日間入院。がん患者やその家族らに正しい情報を発信したいとの思いからブログを毎日更新した。ラジオパーソナリティーとして、がん患者支援イベントに携わったり、番組ゲストに愛知病院関係者に出演してもらったり、同院でボランティア活動をしたりしていた本人が患者の立場になった。「がんは今や2人に1人がなる病気。落胆よりも『あ〜、なっちゃったか』だった」と振り返り「精神的不安は病気に負の連鎖をもたらす。自分の考えを変えるだけで楽しめると思った。正しい知識を得て気持ちを前向きにすることが大事」と捉えている。

ブログでは抗がん剤投与によって頭髪が抜けた状態を写真付きでリポート。また、医療技術の進歩なども紹介した。抗がん剤投与後は副作用によって3週間ほど苦しんだ。「『痛い』と思ったら我慢せずにはっきり言うこと。誰かが代わりに言ってくれたり、察してくれたりすることを期待しては駄目」と強調する。

現在は経過観察中だが、4月から毎週月曜の朝の番組に復帰した。「苦しんでいる人の気持ちを分かるには、同じ状況になる必要はないと実感した。当事者がどうしたいかを理解できる人になってもらいたい」

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