東海愛知新聞バックナンバー

 7月20日【木】

未来永劫の平和願う

岡崎 祈念式と市民慰霊祭

昭和20(1945)年7月20日未明の大規模な爆撃により、約280人が犠牲となった「岡崎空襲」からきょうで72年。19日は岡崎市民会館で平和祈念式、岡崎空襲の慰霊碑で市民慰霊祭がそれぞれ行われた。(今井亮、大山智也)

平和祈念式では、市遺族連合会の遺族や学区総代、来賓ら約1000人が、戦没・戦災死者に黙とう。内田康宏市長は「市制施行101周年を迎え、人口38万人を超える中核市として順調な発展をとげ、平和な市民生活を享受できるのは戦争の犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない」と式辞を述べた。

この後、参列者が祭壇に献花。最後に、岡崎女子短期大学幼児教育学科2年の池田涼香さんと鈴木愛梨さんが「大切な人を残し、果たせなかった夢を思った犠牲者の苦しさや無念さを想像する時、今を生きる私たちは何をすべきかを真摯に考えなければならない」と訴え、「先人から託された平和への願いというバトンを次の世代につなぎ、未来永劫の平和を願う」と誓いの言葉を述べた。

慰霊碑前で献花 シビコ西広場

岡崎シビコ西広場にある岡崎空襲の慰霊碑前では、犠牲者をしのぶ「市民慰霊祭」が、岡崎空襲の慰霊碑をまもる会(岡田亮一会長)によって行われた。

市民らを中心に約80人が参列。広場に設置されている「岡崎空襲の慰霊碑」の前で、空襲の犠牲者に対する黙とうをささげた後、慰霊碑に献花した。

岡田会長は「昨今は、世界中がおかしくなり心配している。本当の慰霊とは何かを常に考えながら、空襲で亡くなった方の刻銘碑を作る運動を進めていきたい」とあいさつ。また、空襲を体験したという93歳の女性が当時の様子を語り、爆撃によって目の前で友人が命を落としたこと、死の恐怖におびえながら下水道に逃げたことなど、空襲の悲惨さを参列者に伝えた。