東海愛知新聞バックナンバー

 1月7日【土】

思い出の地で講演

2月11日・岡崎市民会館
ノーベル医学・生理学賞の大隅さん

岡崎市明大寺町の自然科学研究機構と同市は、細胞が不要になった自らのタンパク質を分解して再利用する自食作用「オートファジー」研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんの受賞記念講演「オートファジー細胞のリサイクルシステム―観る、知る、解く喜び」を、2月11日に同市民会館で開く。同機構によると、大隅さんが一般向けに講演するのは受賞後初めて。(今井亮)

講演は同機構の22回目となるシンポジウムとして行われる。大隅さんがオートファジーの解説を交えて約50分間講演する。また、招待する市内20校の中学生代表が挙手で大隅さんに質問したり、小中高生と大学生が大隅さんに研究発表したりする。

講演は午後3時から。聴講は23日午前10時から同機構基礎生物学研究所のホームページで先着順に受け付ける。定員は550人程度。

講演に合わせ、大隅さんに対し県は学術顕彰、同市は個人で8人目となる市民栄誉賞の授与を決めた。当日に会場で大村秀章知事と内田康宏市長がそれぞれたたえる。

大隅さんは平成8年から21年までの約13年間、同市に在住し基生研に勤務。岡崎を離れた現在も名誉教授を務めている。

基生研の山本正幸所長は講演を「これまでの支援に対する岡崎市民への恩返しと捉えている」とした上で、大隅さんから聞いた話として「思い出の地である岡崎に戻ることを心待ちにしている」と代弁。また「研究の苦楽をともにした基生研の同僚らとの再会も楽しみにしている」と言い、講演後は基生研主催の祝賀会を予定しているという。

問い合わせは、同機構シンポジウム事務局(55―7111)へ。