東海愛知新聞バックナンバー

 12月16日【金】

「大幅見直し」4件

岡崎市 事務事業の外部評価報告

岡崎市は、平成27年度に実施された市の事務事業に対する市行財政調査会の外部評価報告書を公表した。結果に法的効力はないが、市が予算を編成する上で指標の1つになる。(今井亮)

市は、内部で生涯学習の推進や公共施設の運営などに該当する10事業をA〜Dで自己判定。一方で、同じ事業を税理士、行政学・公共政策の学識経験者、公認会計士、市民、経営者、大学生の7人で構成する専門部会が、「現状維持」「改善の余地あり」「大幅な見直し」「縮小・廃止」の4段階で評価した。

専門部会の評価で「縮小・廃止」はなかったが、「大幅な見直し」は4事業が該当した。

例えば、市内の住宅新築、増築、改築で岡崎市産材を主要構造材に60%以上使用した場合、施主に上限30万円の補助金、施工した市内の建築業者に上限5万円の奨励金を交付する制度「市産材住宅建設事業奨励」。専門部会は「限られた市民と業者だけが利用できる事業が、市の林業振興や森林整備にどれほど貢献できるのか疑問に感じる」と苦言を呈した。

また、各分野の著名人を講師として招き、講演してもらう「市民大学」については、43年続く伝統や開催主旨に一定の理解を示した上で、「受講者数が大幅に減少し、生涯学習ツールが多様化している現状を踏まえ、内容や意図が重複する他の事業との必要に応じた統合など大幅な見直しが必要」とした。

築40年を迎え、老朽化が指摘される「市少年自然の家」の管理運営については「施設を粛々と維持管理しているだけで、利用者の確保やサービス向上といった改善を図る意欲や熱意が感じられない」と断言。中学1年の山の学習が学校判断による選択制になった影響で利用者が減少し、老朽化に伴い迫られる修繕・改修を視野に入れ、「施設の今後の在り方を検討し、運営の抜本的な見直しが必要」と提言した。