東海愛知新聞バックナンバー

 9月18日【日】

海外の名曲を表現

県立岡崎東高校1年生3人 手話甲子園に出場

ボランティア活動などを行う県立岡崎東高校JRC(ジュニアレッドクロス)部の鳥谷部由果里さん、尾張康成君、榊間大高君の1年生3人が、25日に鳥取県倉吉市で開かれる「第3回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に出場する。手話を交えたパフォーマンスを通して思いを伝え、出場する全国20校の頂点を目指す。(大山智也)

同大会は、聴覚障害者と健常者の相互理解・共生の推進などを目的に「鳥取県手話言語条例」を制定した同県が、より多くの人に手話を身近に感じてもらうため、平成26年に第1回大会を開催。今年は予選のビデオ審査に全国61校から応募があり、同校を含む上位20校が本選出場を決めた。

予選は制限時間3分、字幕以外の編集不可の手話パフォーマンス映像を審査。3人は、ビートルズの名曲「Let It Be」の歌詞を和訳し、手話で表現するパフォーマンスを撮影した。曲題を「そのままでいいよ、大丈夫」と訳し、聴覚障害に悩んだり、コンプレックスを持ったりしている人への激励の思いを込めた。さらに、見る人へより強く思いを伝えるため、ダンスパフォーマンスも取り入れた。

本選は、巨大スクリーンに字幕と背景映像(画像)を映し、審査員の目の前でパフォーマンスを披露。制限時間も8分と長くなるため、予選のパフォーマンスを土台に手話で語り掛ける場面を追加したり、細かい表現の修正を加えたりして本選用に仕上げる。

予選の結果は11位と、本選出場者の中間位置に付けた。審査員からの講評では、メッセージ性や手話とダンスの組み合わせなどを高く評価された。一方で歌詞の内容と手話の表現の細かい差異など、改善すべき部分についても指摘を受けた。

鳥谷部さんと榊間君は「映像だと手話が小さく見えたので、見ている人にもっとはっきりと伝わるように工夫したい」と課題を挙げる。尾張君も「本番までによりダンスを磨く必要がある」としながら「ほかのチームにないものを作り上げ、感情を込め、しっかりと思いを伝えたい」と意気込んだ。