東海愛知新聞バックナンバー

 7月17日【日】

粉雪のような口溶け

岡崎 天然氷のかき氷が人気

燦々(さんさん)と降り注ぐ日差しが真夏の到来を告げる中、岡崎市連尺通3にある老舗手焼きせんべい店一隆堂が運営する喫茶室では、金、土、日曜限定で天然氷を使ったかき氷が楽しめる。暑さから逃れようと連日多くの人が来店し、爽やかなかき氷で涼を取っている。 (大山智也)

■水などにこだわり

同店が使用する天然氷は、国内の名水100選に選ばれた八ヶ岳南麓高原湧水群(山梨県)の湧き水を、自然の厳しい寒さを利用して時間をかけて凍らせた逸品。結晶が大きく、溶けにくいのが特徴で、かき氷にすると粉雪のようなはかない口溶けが楽しめる。

かき氷にかけるシロップも素材から厳選され、同市石原町の宮ザキ園の無農薬栽培茶と鹿児島県奄美群島産のキビ砂糖を使った「ほうじ茶氷」(550円)、沖縄県波照間島産の黒糖と国産ショウガの「黒糖しょうが氷」(600円)などが人気。さらに新作として、宮ザキ園の抹茶を使った「お抹茶氷」(700円)も、1日10食限定で販売されている。

喫茶室氷職人の鶴田圭介さんは「希少な天然氷を味わえるのは、市内ではここだけ。地元のお茶などを使った特製のシロップと合わせて、ほかにはない夏の味覚を楽しんでほしい」と来店を呼び掛けている。

かき氷は、天然氷の在庫がなくなり次第終了。9月中旬までの販売を予定しているが、仕入れ状況によっては早期に終了する場合もある。

営業時間は午前9時〜午後5時。26、27、28日は店舗移転に伴い一時休業し、29日から現在の店舗北側の一隆堂ビル内で営業を再開する。

問い合わせは、一隆堂(23―7098)へ。

■1日80食限り

喫茶室は、3年前に中心市街地などを会場として行われたアートイベント「あいちトリエンナーレ2013」に合わせて、期間限定で開店。イベント終了後は営業を中止していたが、昨年4月に新装開店という形で復活した。

多くの人に本物の味を楽しんでほしいという思いから、昨年に夏期限定で希少な天然氷を使ったかき氷を販売したところ、日によっては開店から1時間以内に完売するほどの大盛況。今年はあらかじめ天然氷の蔵元と交渉し、昨年のほぼ倍となる1日80食前後を提供できるようにしたという。