東海愛知新聞バックナンバー

 4月17日【日】

味噌蔵で結婚式

豊田市桝塚町 披露宴では仕込みも

桝塚味噌の名で知られる豊田市桝塚町の野田味噌商店(野田清衛代表)で16日、同社初の試みとして、味噌蔵で挙げる結婚式「蔵婚」が行われた。

式を挙げたのは、野田代表の長男・好成さんとその妻・愛嘉さん。結婚という人生の一大イベント、ほかでは見られない特別な結婚式にしたいと2人で話し合ったところ、好成さんの実家の味噌蔵を会場とする蔵婚を発案し、昨年夏から準備を進めてきた。

この日は、新郎新婦の親族や友人のほか地域住民らも参列。味噌蔵の中で結婚式が行われ、巨大な味噌桶が並ぶ会場は祝福の拍手に包まれた。

式の後は披露宴。参列者には、同社の製品を使った料理の数々のほか、市内で捕獲されたイノシシの肉を使ったしし汁や豊田名物の五平餅、さらに同社とラーメン店「金久衛門」のコラボによるブラックラーメンも振る舞われた。

また披露宴の中で、100年前に作られた味噌桶を再利用した結婚記念の味噌の仕込みもあり、親族をはじめとした参列者は、新郎新婦とともに味噌作りを体験し、味噌蔵ならではの催しを楽しんだ。

結婚式を迎えた好成さんは「準備を進める中で、あらためて多くの人に支えられていることを実感した。味噌蔵の歴史や野田家のルーツなど、昔ながらの良いものはそのままに、未来へ向けて新しいものを生み出していきたい」。野田代表は「結婚式という祝い事を、歴史ある味噌蔵でこうして執り行えたことはうれしく、感謝の念が尽きない」と喜んだ。(大山智也)