東海愛知新聞バックナンバー

 3月16日【水】

愛教大附属小児童専用学習塾

カレッジの西川さん 特化型指導を来月スタート

愛教大附属岡崎小学校に通う児童のための専用学習塾「カレッジ」がこのほど、岡崎市康生通東1に開校した。同塾代表取締役の西川賢さん(39)は、1つの学校に特化した少人数の集団授業と個別指導に学童保育の要素も合わせた独自の指導方法で、新たな学習塾の在り方を示す。(大山智也)

近年は教育へのニーズが多様化し、学習塾の多くは塾生の獲得に向け幅広い学校、学年、学力の子どもを受け入れており、一人一人に最適な指導を行うことが難しくなっている。

西川さんは約20年間の塾講師経験から、最適な指導を行うには対象を絞り込む必要があることを実感。ある時、長女が通う附属岡崎小の保護者との話の中で、公立校と学習内容や進度が異なる同校の学習状況に沿った指導が受けられる塾を求める声があることを知り、同校に特化した学習塾を発案。下校時に通えるよう、同校から徒歩約10分の場所に塾を構えた。なお、同校とは経営上のつながりや委託関係などはない。

カレッジは、集団授業と個別指導を組み合わせた独自の指導が特徴で、月〜水曜は学年ごとに100〜150分の集団授業。木、金曜は集団授業の復習などに充て、それぞれの理解度に合わせた個別指導で実力を伸ばす。科目は、1〜3年生が国語、算数、作文の3科目、4年生以上が国語、算数、理科、社会の4科目。

講師は、西川さんが全学年を担当。1人の講師が担当することで、長期的に一貫した指導が行える。また、行事など学校都合による授業時間の変更に柔軟に対応できるのも、1校特化の強みだ。

授業時間以外にも教室は解放され、自習スペースやドリンクバーも完備。学校課題、自主学習、読書などをしながら最長で午後8時30分まで保護者の迎えを待つことができ、塾到着と授業終了をメールで知らせるサービスも合わせて、保護者の負担軽減・不安解消につなげる。

授業は4月11日にスタート。定員は1〜3年生が各学年12人、4〜6年生が各学年15人の計81人。現在は塾生を募集中で、3月21日〜4月1日に無料体験・説明会を開催する。

問い合わせは、同塾(26―2490)へ。

“最高の教育”を

西川さんが塾講師の道に足を踏み入れたのは20年前。都内の大学に合格後、入学を待たずに埼玉県の大手学習塾でアルバイトを始めた。

最初は子どもたちの反応が薄く、予定通り授業が進まないこともあり苦労の連続だったが、いつしか「もっと分かりやすく教えたい」「子どもたちに必要とされることがうれしい」という思いが強くなり、情熱を注いだ。

大学入学当初は教員を志望していたが、アルバイトを続けるうちに塾講師を天職とまで考えるようになり、目標に掲げた「日本一の塾講師」になるべく、平成13年に大手学習塾「佐鳴学院」(現・佐鳴予備校)に就職した。岡崎に赴任し、培った経験を生かして教鞭を振るったところ、全国一斉に行われた塾生による講師評価で1年目ながら全講師の上位20人に入る高評価を獲得。間もなく愛知県の国語科責任者にも抜てきされ、名実ともに全国トップクラスの講師となった。

17年には、岡崎・幸田を拠点とする地域密着型学習塾「夢現塾」に入社。幸田校の責任者となってわずか5年で、町内の学習塾としては最多の200人以上の生徒を抱える人気校へと成長させた。

40歳になり塾講師歴20年目となる節目の年に、これまでの集大成として独立を決意し、自身が理想とする学習塾の実現に向け1歩を踏み出した。

「教育のあるべき姿とは、子どもたちが興味を持つきっかけを作ること。1人でも多くの子どもたちに“最高の教育”を提供したい」