東海愛知新聞バックナンバー

 2月27日【土】

環境保全型の農業へ

岡崎の矢田さん 東海農政局長賞を受賞
安全で安心のレンゲ米生産

矢田さんは任意団体「矢作尊農会」(平成25年に結成)のメンバーとして、特別栽培米「レンゲ米」の普及に努めている。レンゲ米生産は、10月の収穫から翌年6月の田植えまでの休耕期に、レンゲの種子をまいて開花まで育てることで土壌を肥沃な状態にし、除草剤以外の農薬、化学肥料を使用せずに行う水稲栽培。ガバークロップ(緑肥)とも言われる。市内では複数の地域で取り組んでいる。

24年に矢田さんの敷地6アールでスタートしたレンゲ米の取り組み面積は、27年までに143アールにまで拡大(矢田さんは50〜60アール)。尊農会は県認定のエコファーマー4戸8人(夫婦での参加が条件)で組織している。生産量は42俵(約2520キロ)分とまだ少ないが、地域の特別養護老人ホームに納品しており、安全で安心な米作りが受けているという。

レンゲ米生産を通して、講演会や農業体験イベントをはじめとする地域との触れ合いも行う。また、4月にはレンゲの花が咲き、付近の北野小学校の児童らが通学途中に目にすることもある。矢田さんは「ようやく“こだわり米”が流通する仕組みづくりができた。この活動を充実させ、発展できたら」との思いを込める。

矢作尊農会では、レンゲ米の販売も可能としている。1キロ当たり400円前後。問い合わせは、同会事務局の矢田さん(31―2443)へ。