東海愛知新聞バックナンバー

 7月23日【木】

岡崎署管内 住居侵入盗が倍増

上半期犯罪統計 特殊詐欺被害も多発

今年も残すところ半分を切った。今後の犯罪被害の未然防止につなげるため、岡崎署管内(岡崎市、幸田町)の上半期犯罪発生状況を対策と合わせて振り返る。カッコ内は前年同期比。(大山智也)

同署生活安全課によると、上半期の刑法犯認知件数は1495件(262件減)で、うち窃盗犯が1032件と全体の約7割を占める。昨年に比べて大幅に減少したが、内訳をみると住宅の侵入盗が107件(57件増)とほぼ倍増した。

管内に限らず、西三河地域全体で増加傾向の住宅侵入盗。主な手口は、家人の不在時に侵入する空き巣と、在宅時に忍び込んで金品を盗む居空き(忍び込み)。いずれも無施錠の窓や扉から侵入する例が多く、特に居空きに関しては在宅だからといって決して安心できない。侵入経路となる窓や扉の施錠徹底が、効果的だ。

特殊詐欺被害は26件(16件増)で総額約3,660万円(約1,177万円増)と昨年を大きく上回る。1件当たりの被害額は約141万円(約308万円減)と少なくなっている。

手口は、家族の名前をかたって現金を要求するオレオレ詐欺が最も多く、次いで医療費の還付金詐欺などが続く。被害者は65歳以上の高齢者が中心で、うち約9割が特殊詐欺の存在を知りながら被害に遭ったという。

被害者に嘘を信じ込ませるため、事前に「風邪気味でのどの調子が悪い」「携帯電話の番号を変えた」といった前兆電話をかけてから犯行に及ぶなど、だまし方は巧妙化。事例によって電話内容は異なるが

  1. まとまった現金を急に要求
  2. 周囲へ秘匿するよう要求
  3. 用途を聞かれた場合に嘘をつかせる

―といった共通点がある。

現金の受け渡し方法は、「代理人」を名乗る犯人グループの一員が被害者の自宅へ取りに行く「手渡し型」から、ATM(現金自動預払機)を利用した「振り込み型」に回帰。金融機関窓口での水際阻止を避けるため、被害者に指示を出してATMを操作させる手口が増えている。

対策は、詐欺被害の入り口となる見知らぬ電話に出ないことが第一。電話番号表示や留守番電話機能を活用して相手と用件を確認し、必要に応じて折り返すなど、緩衝材を挟むのが有効。詐欺被害防止機能を搭載した電話機の使用も効果が期待できる。

電話に出てしまった場合は、通話が終わった時点で家族や警察、金融機関など周囲に相談すること。1人で解決しようとせず、ささいなことでもほかの人に相談する習慣をつけることが、被害防止につながる。

同課は「犯人と鉢合わせた場合、侵入盗が強盗や殺人に発展する危険性がある。在宅時の施錠も徹底してほしい。特殊詐欺は未然防止の件数が増えているが、昨年を大きく上回るペースで被害が発生している。誰もが狙われる可能性があることを常に意識していてほしい」と注意を呼び掛けている。