東海愛知新聞バックナンバー

 7月18日【金】
岡崎城下家康公夏まつり

光る おどろき龍

大学生、市民らがオブジェ制作

岡崎城下家康公夏まつり(7月30日〜8月3日)で会場を彩る「光るオブジェ」の制作が進められている。今年のテーマは、徳川家康が生まれたときに龍が現れたとされる伝説から「光るおどろき龍」。岡崎の夏の風物詩が市民主導型イベントに切り替わって3年目の今年は、愛知産業大学岡崎女子大学短大の学生に加え、一般市民も参加しての一大プロジェクトになった。(横田沙貴)

光るオブジェづくりは、平成24年から愛産大の学生が「地域実習」の授業の一環として制作している。オブジェはねぶたと同じ構造で、針金で形作られた造形物の表面に和紙を貼り、内部に設置した電球で内側から照らす。

今年は口を大きく開けて驚いた表情が特徴的な龍を頭と胴体、尾の3つに分けて制作。1つあたり2〜6メートルほどの長さで、高さと幅は約2メートル。地面を潜って姿を出しているような形になる。頭には階段が付き、頭の上に登ることができる。

実行委員長も務める同大の吉田修教授が、より広く市民が参加したまつりにしたいと、市内の大学に協力を打診、岡崎女子大・短大が快諾した。また制作に参加する市民も募集し、既に十数人が協力している。中には現役の石工や、同大卒業生、一家そろって参加した人もいた。

同大では受講者以外も参加しやすいようにと、「ASUボランティア同好会」を設立し、受け皿としている。メンバーは過去にねぶた作りに参加した学生が中心だ。

共同制作スタッフとして参加する市民を募集している。参加可能日は19、26の両日。ともに午後1〜6時。吉田教授は「準備段階から関わることでよりまつりに親しんでもらえると思います。興味のある方は一度愛産大までお越し下さい」と呼び掛けている。問い合わせは吉田教授(090―6366―0215)へ。

愛産大では6月中旬から週末を中心に、学生や一般参加者らが集まって作業を進めている。12日の作業では、岡崎市井沢町でツリーハウスなどがあるレクリエーション施設「ネオキタロー村」の村長吉口章さん(74)と、ものづくりが好きな幸田町坂崎の平岩大明さん(39)、郁子さん(42)、翔君(14)、あかりさん(9つ)一家が参加した。

全員集中した様子で和紙を貼ったり、小さなオブジェを作ったりした。作業後は「また参加したい」「次はもっといいものを作るぞ」と来年以降への意気込みも見せていた。

岡崎女子大・短大では、ものづくりに興味のある、幼児教育系の学生5、6人が講義や実習、サークル活動の合間を縫いながら参加。オブジェの作り方を学びながら、制作を本格化させていく。

短大幼児教育学科第3部2年の井上智咲さん(20)は「針金をタコ糸とボンドでつなげるのが難しい。授業では針金と和紙を使わないので、新鮮な気分になります。将来、市内の子どもたちが小さな提灯を同じように作って、絵付けをするようなイベントがあっても楽しそう」と話していた。