東海愛知新聞バックナンバー

 5月30日【金】

南部に大学病院建設へ

岡崎市 藤田学園と協定を締結
平成32年4月開院予定

岡崎市と学校法人藤田学園、岡崎駅南土地区画整理組合は29日、市南部地域の第2次救急医療機関として、同市針崎町への大学病院建設で合意し、協定を結んだ。市内での大学病院は初めて。開院は6年後の平成32年4月を予定している。(竹内雅紀)

建設予定地はJR岡崎駅の南西約1キロ、同市岡崎小学校西側にある岡崎駅南土地区画整理事業区域内の保留地約3ヘクタール。市は入院・手術に対応できる24時間365日体制の第2次救急医療機関の誘致を行ってきた。市南部地域への総合病院建設は内田康宏市長の公約。年間約1000件にも上る市民病院への救急搬送の緩和を図るほか、医療圏として市南西部、幸田町、西尾市北部、安城市の一部を見込んでいる。

豊明市で藤田保健衛生大学を運営する同学園によると、東海地方での病院は4施設目。診療科は内科、外科、小児科、脳外科、婦人科などを予定しており、救急医療の充実や大学病院らしい先端医療を目指す。現在、土地は同組合が所有しており、土地の購入費などを含めた総事業費は150億円を超える見通し。

病床数については「市民病院の700床は超えない」と明言を避けたが、市が第2次救急医療機関誘致の際に配っているパンフレットには300〜400床が望ましいとの記載がある。具体的な数字については協議を重ねた上で、時期をみて公表するという。

調印式に出席した内田市長は「幅広い領域の医療を担っており、これ以上ない病院に来ていただく。開院に向けての環境整備に万全を尽くしたい」とあいさつ。同学園の小野雄一郎理事長は「多くの卒業生が活躍する場を求めていた。岡崎南部地域は医療ニーズが高いので、地域とのつながりを考えながら進めていきたい」、同組合の髙木廣行理事長は「生活利便施設の誘致を進めてきたが、この地域に医療施設ができることは住民にとっては願ってもないことで喜んでもらえる」とそれぞれ述べた。