東海愛知新聞バックナンバー

 5月18日【日】

切り絵の大作 総文祭へ

岡崎城西高校3年・岡田さん 尊敬する祖母モデルに

岡崎城西高校美術部3年の岡田千裕さんが制作した大作の切り絵が、文化部の全国大会にあたる「第38回全国高校総合文化祭」(総文祭、7月27日〜31日)に出品されることになった。総文祭期間中は、茨城県内全域で合唱や演劇、書道などが披露される。美術・工芸部門では、愛知県内から岡田さんの切り絵を含む平面9点と立体5点が出品される。(横田沙貴)

タイトルは「凛」。縦109.3センチ、横65.2センチ。尊敬する母方の祖母をモデルにした。「このときは人物をモチーフにした作品を作りたいと思っていました。おばあちゃんは70歳を過ぎたけれど、いつも背筋かピンと伸びて『凛』としているので、タイトルにしました」

2枚の黒色画用紙をペン状のナイフを使って、一番細い部分では1ミリ以下の極細の線で切り抜いている。笑顔の祖母に、祖母をほうふつさせるバラやガーベラ、パンジー、祖母が育てているニンジンの葉、岡田さんが好きなサクラの花を組み合わせた。

繊細な線の多い花の部分は蒼山日菜さん、躍動感ある表情の部分は福井利佐さんと、2人の女性切り絵作家の作風に影響を受けたという。

この作品は昨年11月から約2カ月かけて制作。2枚のアクリル板で挟み、裏側から白い紙を当てた状態で、水戸市の茨城県近代美術館に並べられる。

父の転勤の影響で横浜市寺尾中学校に通っていた岡田さんは、切り絵を作りスクリーンに投影して発表する「影絵部」に入部し切り絵と出会った。1日中自室で作業にのめり込むこともあるという。

中学時代は神奈川県内で同様の活動をする部活がなかったので「高校では全国に作品を出す」という目標を掲げていたという岡田さんは、「目標が達成できてうれしい。途中で画用紙がちぎれることもあったけれど、逆にいい表現に変わった。私の作品を見たときの会場の人の反応が楽しみです」と話していた。