東海愛知新聞バックナンバー

 3月16日【日】

半発酵「わ紅茶」

和やかなひとときを
岡崎宮ザキ園4月から本格販売へ

岡崎市石原町の茶葉問屋・宮ザキ園が4月から発酵茶「わ紅茶」を本格的に販売する予定だ。3年前から試験販売を行い、改良を重ねての自信作に6代目の梅村篤志さん(35)は「和を感じながら和やかなひとときを過ごしてほしい」と思いを募らせている。(竹内雅紀)

岡崎市内で最大となる3ヘクタールの茶畑を持つ宮ザキ園。原材料供給(1次産業)から加工(2次同)、販売(3次同)までを行う「6次産業化事業」が国から認定され、補助を受けている。高校卒業後に静岡県にある農林水産省の研究機関で紅茶の研究に励んだ梅村さんは「和風文化の中に紅茶を」との思いで家業を営む。

「わ紅茶」の「わ」には、和風の「和」と人とのつながりの「輪」が込められている。3年前から試行錯誤し、日本の四季や風土に合う日本人向けの発酵茶を開発した。茶葉の発酵時間や乾燥時間を工夫し、半発酵で仕上げた結果、渋味や苦味が少なくまろやかで優しい味わいになった。

茶葉は5月初旬の一番茶ではなく、7月に入ってから収穫したものを採用。ワラで編んだ敷物「むしろ」の上に茶葉を広げ、数時間天日干しにする。「ビニールシートでは通気性が悪く水分が落ちなかった。最初の段階が味を左右する」。その後、もみながら水分を均一にする機械で発酵を促進。再びむしろの上に載せ、濡らした麻袋を掛けて6時間天日干し(半発酵)に。最後にむしろの上で数日間天日干し。「機械に頼り過ぎると香りと風味が飛ぶ。味はもちろん、手間暇かけた製造工程も重視する」。

■地域の発展へ

約1000人を対象にした試飲アンケートでは30、40代の女性を中心に好評価を得た。既に名古屋市内のホテルへの納品も決定済みという。「額田の宮崎地区は茶業が盛んだったが、最近は後継者不足もあって衰退傾向にある。地域発展の1つの手段として、販路を拡大したい」と話す。

年間で最大150キログラムの生産が可能。ティーバッグタイプが20グラム(10袋入り)、リーフタイプが30グラムで価格はいずれも700円(税別)。問い合わせは、宮ザキ園(83―2710)へ。