東海愛知新聞バックナンバー

 12月19日【木】
岡崎 ちせいの里

わがまちの誇り

オリジナル日本酒記念の「天使の舞」誕生10周年

岡崎市茅原沢町、〈ちせいの里〉の“わがまちの酒”が誕生して10周年。今回は375ミリリットル入り、精米歩合60%の吟醸酒を300本。これまでと同様、ちせいの里の東、「蛍流の森」奥の石清水を同市内の酒造会社に持ち込んだ。甘みと酸味をほどよく兼ね備えた口当たりの優しい日本酒になったという。(佐宗公雄)

平成16年3月の初回頒布は500ミリリットル、110本限定の大吟醸。岩盤から湧き出るきれいな水を原料用水の一部にすることから、当初の愛称は「ロックエンゼル」、4年前に「天使の舞」と名を変えた。

今回は1本940円で頒布。細長いスタイリッシュな瓶に詰め、10周年記念のラベルを貼った。このほど、ちせいの里集会所で注文していた人たちに配られた。「贈り物に」と買い物袋に入れる女性、「知人に頼まれて」と段ボール箱に詰める男性も。

「ありがとうございます」と、酒づくりの世話役たちは笑顔で手渡した。年末年始の団らんや飲み会の輪の中に天使の舞があることが励みだ。

世話役グループを核に人の輪から地域の和へ

酒づくりの世話役グループ「ロックエンゼルの会」代表の榊原茂夫さん(69)が、この10年の活動を振り返った。

同グループは初回頒布に当たってつくられた。「会のスタート時は数人でしたが、今は26人。世代の幅が広くなり、仲間意識が醸しだされてよくまとまっています」

ちせいの里には、水源地や水源から流れ出るせせらぎの管理などをする「清流の会」というグループもある。「2つの会が中心になって、蛍流の森一帯の里山整備活動に発展しました」と説明。

今回、間伐した里山のヒノキで記念のコースターとペンダントを作り、天使の舞を購入して集会所に受け取りに来た人にプレゼントした。ヒノキの芳香が鼻をくすぐる。

世話人は30〜70代。「若い人が加わり頼もしい限りです。自分たちが住むまちのオリジナル酒ということで、多くの皆さんの支援を頂いてきました。これからも『酒造場の原価で頒布する』という大原則のもと、工夫を凝らしていきたいと思います」