東海愛知新聞バックナンバー

 12月11日【水】
岡崎市

東レグループ2社と災害協定

小型造水機で飲料水を提供

岡崎市は10日、災害時の飲料水供給を目的として、同市矢作町の東レと同市昭和町の東レ・モノフィラメントの東レグループ2社と災害協定を結んだ。災害による断水時は、2社が所有する災害対策用小型造水機で飲料水を造り出し、被災した近隣住民に提供することができる。

東レグループが製作した造水機「トレスキュー」は高さ74センチ、幅120センチ、奥行き60センチ。河川や湖沼、プール、海水などの水源からホースで水を採取してろ過し、飲料水(純水)を造り出す。機械1台で1時間当たり500リットルの造水が可能で、1日10時間の稼働が限度。人間は1日3リットルの水を必要とすることから、計算上では1台で1日1600人分の飲料水を提供できることになる。

市役所で開かれた調印式で寺田雄司副市長が「南海トラフ巨大地震の被害想定では、県内の被災1日後の断水人口は最大で680万人とされる。迅速、効率的に飲料水が供給できることは住民も安心する」と礼を述べた。東レ岡崎工場の藤田雅士工場長は「社会貢献の一環として、災害時に役立てることは光栄」、東レ・モノの桑原政人社長は「地域と一緒に発展できる。しっかり利用してもらいたい」と話した。

2年前の東日本大震災で被災して断水した島では、同種の機械が使用され海水を水源にして島民の飲料水を確保した。(竹内雅紀)