東海愛知新聞バックナンバー

 12月1日【日】

山間地の防災考える

岡崎 額田地区で講話と寸劇

「被災者にならないために山間地域の防災を考えよう」―。岡崎市社会福祉協議会額田支所が30日、額田地区で活動する災害ボランティア団体「一歩の会額田」と協力し、市ぬかた会館で、名古屋大学減災連携研究センター長の福和伸夫教授=建築耐震工学、地震工学=の講話と防災寸劇のセミナーを開いた。(今井亮)

同地区在住・在勤者を対象に呼び掛け、85人が参加した。講話では、福和教授が国内で発生した巨大地震を振り返りながら、地名に由来する地盤の特性を説明。山間地や河川流域など地域に応じた災害対策の重要性を説いた上で、「ライフラインが寸断されても生き抜ける準備や備蓄があるかどうかに生死が懸かっている」と述べた。

県内で2万3,000人の犠牲者が想定されている南海トラフ地震については、「国難となる災害では救助の手が被災者全員に同時に行き渡るとは限らない。だからこそ、中高年は豊富な経験から自分の命を自分で守る準備をしてほしい」と訴えた。

この後の寸劇では、同ボランティアの20〜70代の男女メンバーがある家族の団らん風景を演じ、子どもが学校で学んできた「防災」をめぐり、備蓄、避難所へのペットの連れ込み、要救助者などを討論。最後に出演者がプラカードで「普段から家族みんなで話し合おう」と呼び掛けた。

同ボランティアは統廃合以前にあった同地区の8小学校で毎年1校ずつ、避難所となる学校の宿泊体験を盛り込んだ防災訓練を実施。セミナーはこれまでの防災訓練の総括として企画した。