東海愛知新聞バックナンバー

 9月18日【水】

がん診療の充実へ

岡崎市民病院西棟 来月から一部稼働、50床増

岡崎市民病院で建設中の西棟が17日、報道陣向けに公開された。病床不足の解消とがん診療の充実が主な目的。22日に完成式が行われ、10月1日から稼働する。(竹内雅紀)

西棟は職員用駐車場だった場所に建設。鉄骨鉄筋コンクリート造り地上3階、地下3階建て、延べ床面積1万1203平方メートル。総事業費は49億228万円。

1階には外科、血液内科、産婦人科、外来治療センターが既存棟から移動し、10月15日から稼働する。待合室はヒーリング効果を期待してカラフルないすを設置。既存棟で空いたスペースは改修して手狭になっている外来を拡充する。

2階は50床完備の病棟。木目調の樹脂シートを床や壁に施し、個室はトイレを部屋の奥に配備してスタッフが患者をケアしやすいように工夫した。また、患者が部屋を間違えないように入り口を2色に色分けしている。4人部屋が9室、2人部屋が2室、個室が10室で、対象となるのは腎臓内科と内分泌内科の患者。これで市民病院のベッド数は650から700になり、満床率96%(8月)の緩和も期待される。病院では昨年と今年の2年間で常勤看護師を35人増やして態勢を整えている。

3階は将来に備えて空きスペースに。災害時や緊急時にも活用される可能性がある。地下1、2階は医局や会議室などが入り、地下3階には最新鋭の放射線治療機器3台を入れる。がん細胞を死滅させるリニアックなどをそろえ、来年2月から稼働する予定。

西棟の1、2階に渡り通路があり、既存棟から移動できるようになっている。