東海愛知新聞バックナンバー

 5月23日【木】
西部地域の浸水対策

岡崎鹿乗排水機場 起動式

岡崎市筒針町に建設された岡崎鹿乗(かのり)排水機場で22日、起動式が開かれた。集中豪雨対策として鹿乗川上流域の雨水を矢作川に排出する施設の完成に地元住民らは大きな期待を寄せている。(竹内雅紀)

■住民に大きな期待

周辺地域では平成12年9月の東海豪雨で家屋が浸水し、農地が長時間水に没する被害に遭った。また、近年頻発するゲリラ豪雨や宅地開発による雨水流出量の増加などによってまとまった降雨のたびに水害に見舞われていた。

これらの状況を改善するために、県が主体となって15年度に事業着手。10年後の24年度に排水機場や送水路、排水路などが完成した。総事業費は約38億円。鹿乗川流域自治体の岡崎市、安城市、豊田市が工事費を一部負担した。

排水機場は鉄筋コンクリート造り一部鉄骨2階建て、延べ床面積は702平方メートル。毎秒5.5トンの水を排出できるポンプが2台備わっている。周辺の道路や農地にたまった水は3本の排水路を通って、排水機場敷地内の遊水池へ集められる。遊水池で基準水量を超えると、ポンプがくみ出し、約1キロの送水管から矢作川へ排出される仕組み。

来賓や地権者ら約150人が出席した式では、岡崎、安城、豊田の3市でつくる鹿乗川地区湛水防除事業促進協議会の神谷学会長(安城市長)が「この地域の洪水が無くなることを祈念する」、4月から排水機場の運用を始めた岡崎市の内田康宏市長は「住民が安心して暮らせるよう効果的な運転管理を行う」とあいさつした。