東海愛知新聞バックナンバー

 4月20日【土】

友情のダイヤモンド整備

岡崎工高土木科3年生が
御津高野球部創部で

県立岡崎工業高校の土木科3年生12人が19日、県立御津高校(豊川市御津町)を訪れ、グラウンドを整備した。御津高校では今年4月に野球部が発足。監督の大野拓也教諭(37)が、今年3月まで岡崎工業高校の野球部顧問で土木科の担任も務めていた縁から、マウンドなどを作った。(横田沙貴)

御津高校が開校したのは昭和61(1986)年4月。以後、生徒数は1500人を超え、グラウンドの広さを確保できなかったため、野球部がなかった。山ア宜久校長が昨年、野球部の準備委員会を立ち上げ、今月15日に部活登録された。部員はマネジャー2人を含む13人。2年生マネジャー1人のほかは1年生。

土木科の生徒は、「実践的な授業」をテーマにした課題研究の一環。これまで校内整備は行ってきたが、校外での作業は初めてという。生徒たちは実際の工事現場で使用する道具を使い、約3時間で作業した。

ベース設置班は、本塁とマウンドの位置を基準に測量機器で2塁の位置を割り出し、各ベースを埋めた。マウンドを作る班は、直径約5メートルの円を基準に湿らせた土を5センチほど重ね、コンパクターと呼ばれる工具で土を締め固める作業を繰り返し、高さが25.4センチのマウンドを作った。

部員の魚尾廣夢君は「マウンドを見てすごく感激しました。これから頑張っていこうという気持ちを新たにしました」と感謝。岡工生の川合優輝君は野球部の記録員をしており「これをきっかけに、(両校が)練習試合などで交流できたらいいなと思います」と話していた。

大野教諭は「また野球ができる、とうれしくなった。しかも、土木科の生徒たちが元気に頑張っている姿も見ることができた。生徒たちには形に残る仕事にやりがいを感じてほしい」と感慨深げだった。