東海愛知新聞バックナンバー

 1月12日【土】
安全確保や経費削減

岡崎 図書館に新システム導入

岡崎市は4日から新しい図書館システムを導入した。インターネット上のセキュリティー強化やシステムの更新、保守費の削減、蔵書や資料の検索方法改善が主な特徴。安全性と利便性の向上によって、利用者が安心できる図書館運営を目指す。(竹内雅紀)

新システムでは、市立中央図書館のホームページが市と5年契約を結んだ富士通のデータセンターの管理下に入る。専門の技術者が24時間365日体制で監視や運用を行い、書籍の予約情報などを暗号化して中央図書館内のサーバーに送る。これにより不正アクセスを防ぐことができるほか、同センターは利用者の個人情報を保持しないため情報流出も防止できる。以前は図書館内のサーバーですべてデータ処理していた。

同市では旧システムだった平成22年、アクセス障害によってホームページが閲覧しづらくなったり、システムの管理委託先のミスで利用者の個人情報が流出したりした。それを機に業者とシステムの変更、業者依存体質の改善を決断した。

市は新システム導入前に図書館の業務内容を細かく分析。ホームページ更新など図書館職員自らが多くのことをできるシステムを採用して、経費削減を図った。同館によると、富士通の保守経費は5年間で約2億2,000万円。旧システム時の2分の1以下という。

利用者への朗報は蔵書・資料の検索システム改善だ。これまで書籍名などを正確に入力しないと配置場所が表示されなかったが、ヤフーやグーグルの検索エンジンのように「○○ ○○」という空白入りやキーワード入力で容易に配置場所が判明する全文検索機能を取り入れた。

担当者は「とにかく安全性を重視した。数カ月様子を見て分析したい」と話している。