東海愛知新聞バックナンバー

 8月16日【木】
岡崎の一級建築士 栗原さん 岩月さん

■ベネチア国際建築展に出展

テーマ「世紀の痕跡 未来へのステップ」

岡崎市伊賀町で「スタジオベロシティー」を主宰する栗原健太郎さん(35)、岩月美穂さん(35)夫妻が、イタリアで8月29日から11月25日まで開かれるベネチア・ビエンナーレ国際建築展に出展する。同展には世界から57組が参加。日本ではベロシティーなど5組が選ばれた。(大津一夫)

2人は工学院大学(東京)の同期生。同じ設計事務所で働き結婚。平成18年、岩月さんの郷里の岡崎で設計事務所を設立した。

一級建築士の2人が手掛ける建築物は、外観が白色でユニークな形。岡崎市上衣文町の理容店兼住宅は、キノコの形をしている。ほかに円筒形や、おにぎりのような建物も。

「植物が環境に合わせて成長するように、建物を設計する」。住宅密集地では、隣家の人と目線が合わないように窓を設計した。「自然の光や、窓から見える空間も大切」と栗原さんは言う。

ベロシティーは栗原さん夫妻のほか、スタッフ6人で運営。依頼があると全員で徹底的に討論して仕事を進める。「民主的に、とことん話し合います」

国際建築展は「世紀の痕跡 未来へのステップ」がテーマ。2人は「出展が認められたのは、とても名誉」と話し、「『おもしろい』と感じてもらえるよう、どんな展示をするのか検討中」という。

栗原さんは昨年11月、地元の環境NPOアースワーカーエナジー(小原淳理事長)が主催する建築家の勉強会で講師を務めた。小原理事長は「2人は新たな時代を切り開いていくタフな精神を持った建築家。ベネチアでの出展を機に、岡崎が豊かな建築文化を持ったまちとして、世界に注目されることを期待しています」とエールを送っている。