東海愛知新聞バックナンバー

 7月18日【水】

■生卵 海を渡る

中部国際空港から初輸出
岡崎の三栄鶏卵 シンガポールへ

三栄鶏卵(本社岡崎市中島町、市川尚宏社長)は17日、中部国際空港から鶏卵「まんげつ濃厚卵」をシンガポール向けに初出荷した。同空港から鶏卵が海外に輸出されるのは初めて。(竹内雅紀)

「生で卵を食べる」という日本固有の食文化を海外に紹介し、卵かけご飯や釜玉うどんなどが広まれば、日本への理解度が深まるのではないかと海外進出を企画。これまでは卸売業が主だったが、平成20年に運営を始めた田原市の鶏卵農場がシンガポール農食品・畜産庁から認定されたのをきっかけに鶏卵輸出を準備した。農場認定には、鳥インフルエンザや東日本大震災の影響で2年半ほどかかったという。

専用飼料を使って生産された「まんげつ濃厚卵」は、こくとうまみがあって濃厚な味わいが特徴。在留日本人や現地の富裕層をターゲットにしており、20日から伊勢丹シンガポール店で開かれる「東海フェア2012」への出品を皮切りに、継続販売する。6個入りで600〜700円で販売される見込み。

17日午前、市川社長らは岡崎市日名西町にある配送センターで500パック(3000個)の卵をトラックに積み込み、空港へ向かった。現地へは20日に到着予定。市川社長は「国内で10年ぶり、東海地区では初めて許可をもらった。現地では付加価値卵として味わってほしい。今後は国内向けにも同商品を販売する予定」と話している。