東海愛知新聞バックナンバー

 1月15日【日】

■衛星回線で南極と交信

岩津中 大陸に学級旗はためく

岡崎市岩津中学校の代表生徒が12日、稲吉治校長の愛知教育大学附属岡崎中学校時代の教え子で、現在南極大陸の米国ウィスコンシン大学マディソン校の研究施設に滞在中の倉橋尚子さんと衛星回線による電話を使って交信した。大陸の様子や研究の内容などの説明を受け南極を身近に感じた。(岩月健)

■岡崎生まれ倉橋さん 研究施設に滞在中

倉橋さんは岡崎市朝日町の会社役員倉橋清隆さん・文子さんの長女。父親の勤務の関係で3歳から米国シカゴで生活。帰国していた中学1年の2学期から3年の1学期まで愛教大附属岡崎中学校に在籍。母親の中学校時代の同級生、稲吉校長が担任した。

中3の2学期から渡米。カリフォルニア州立大学バークレー校を卒業後、スタンフォード大学の大学院に進んで博士号を取得。現在、ウ大マディソン校で宇宙素粒子を研究している。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士の研究拠点、岐阜県飛騨市神岡町のスーパーカミオカンデでアルバイトをしたこともある。

昨年初め、倉橋さんが今年1月3日から19日まで南極に滞在することを聞いた稲吉校長が南極との交信を計画。昨年9月から交信方法を模索したが、テレビ電話でリアルタイムの画像を受信できないことが分かり、衛星回線による音声だけの交信に落ち着いた。

交信は衛星の位置が最適な12日の午前8時5分から20分間と決まり、画像はインターネットのメールを使って事前に送ってもらったものを使うことにした。

当日は生徒16人が会議室に待機。8時5分きっかりに倉橋さんから電話が入った。事前に送ってもらった映像をスクリーンに映して音声によるやり取りとなったが、3年C組の学級旗が画面に映ると生徒から大きな歓声が上がった。

生徒の「地球環境についてどんなことを考えていますか」の問いに、倉橋さんは「地球上で一番空気のきれいな南極を汚さないようにみんなで行動したい」と呼び掛けた。

「厚さ約3キロある雪と氷を通過してくる素粒子を分析することが研究テーマです」の言葉に生徒たちから「ほー」と嘆声が漏れた。

倉橋さんが「世界一周旅行に行ってきます」と言って、各国の国旗がはためく南極点を示すポールの周りを一周する動画を見た会場は大きな笑いに包まれた。

生徒からは「世界一周のパフォーマンスを私もやってみたい。いろいろな国が協力しているのはすてきだと思います」「学級旗が南極にはためいていて感動しました」などの感想が聞かれた。


<<インデックスへ | <<前日のニュースへ

HOME