東海愛知新聞バックナンバー

 12月13日【火】
自衛隊岡崎出張所

■人命救助を最優先

矢作東小で講話
被災地での活動 教訓伝える

岡崎市矢作東小学校で12日、自衛隊員が東日本大震災の教訓を講話する集会が開かれ、4〜6年生約300人が耳を傾けた。(竹内雅紀)

この日は自衛隊岡崎出張所の小林茂所長(51)が講師を務め、自衛隊の救援活動をスライドを通して説明した。人命救助が最優先であり、発生から72時間以内に救出しないと生存率が下がることを強調。「今回の震災で自衛隊は約1万9,000人の命を救った。命懸けで職務を遂行している組織もあるということを覚えておいてください」と呼び掛けた。

スライドでは、津波が押し寄せてくる衝撃的な写真や被災後の街並み、命綱をつけて沼や排水管の中を捜索する隊員、遺体収容、避難所での生活支援などを紹介し、児童らは緊張した表情で見入っていた。

また、海岸まで約1キロの岩手県釜石市内の小、中学生が、指定されていた避難所よりもさらに海岸から離れた高台に避難して全員無事だったことを例に挙げ、「日ごろからの備えが重要。その土地の特性を知り、危機意識を持って避難訓練に臨むことで、いざという時に役に立つ。みんなの力を合わせてベストを尽くせば生き残れる」と力強く語った。

今後の取り組みとしては、「救助が来るまでの間は、自分の命は自分で守る。身近な人同士の助け合いも必要で、助けられる人から助ける人になってください。自衛隊の仕事はきついですが、救助した時に感謝の気持ちを伝えられると疲れが吹き飛びます」と話した。

矢作地区は矢作川が決壊した場合、甚大な被害が予想され、同校は3.11以降、避難訓練に力を入れている。6年の高木美緒さん(12)は「地震の怖さをあらためて知りました。日ごろから備えをしっかりしたいと思います」と感想を述べた。


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