東海愛知新聞バックナンバー

 9月29日【木】

■被災状況 巨大ジオラマに

岡崎城西高3年5組
生徒が現地でボランティア

岡崎市中園町の岡崎城西高校3年5組の36人が10月2日の同校文化祭で、東日本大震災の被災状況を示した巨大ジオラマを展示する。現地で復興のためのボランティア活動を経験した生徒たちは、「風化させないためにもより多くの人たちに見てほしい」と呼び掛けている。(竹内雅紀)

■2日の文化祭で展示

生徒たちは6月、「震災にかかわる企画を文化祭で出したい」と発案。夏休みに入ると同時にジオラマ制作に取り掛かった。

ジオラマは縦7.2メートル、横3.6メートル。東北、関東地方の地図を描き、各自治体で観測した震度や被災者数、津波の高さ、放射性物質の飛散量などを記した。また、東京電力福島第一原発の位置や各地の名産品なども付け加えた。

土台となる角材は6月の体育祭で使ったパネルの廃材を利用。奥羽山脈などの隆起部分は、発泡スチロールを使って高さを出し、隙間は新聞紙で埋めた。表面は水で溶かした石膏に浸したキッチンペーパーを貼り付けた。ペンキやポスターカラー、アクリル絵の具で着色し、見栄えを良くしている。

■農作業手伝う

生徒たちの一部は、8月19〜21日に宮城県山元町でボランティア活動に従事した。がれきの撤去は既に終わっていたため、イチゴ農家の復旧作業(農作業)を手伝った。震災前に100軒以上あったイチゴ農家は、わずかに5軒だけ残った。引率した奥出朝紀教諭(39)は「現地の人が普通の生活に戻れていないことには皆ショックを受けていました」と振り返る。

ジオラマでは山元町がほぼ中央に位置し、周辺には現地で撮影した写真なども添付。また、日本海や太平洋の部分には、被災状況をまとめた結果を貼る。

学級委員の前澤俊輔君(18)は「実際にこの目で見て感じたことや体験したことを表現しています。震災から半年以上たちましたが、決して忘れてはいけません。このジオラマを通して、多くの人に身近に感じてもらいたいです」と話している。


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