東海愛知新聞バックナンバー

 8月18日【木】

■高齢者楽しみながら音楽療法

豪州先住民の楽器・ディジュリドゥで健康づくり

手作りのディジュリドゥで高齢者が健康づくり―。岡崎市南部市民センター分館で毎月第1、第3水曜日に「集まれ!音楽療法教室」が開かれている。リズム体操や合奏で和気あいあいの雰囲気。教室の主宰者は、「体の機能回復に役立ちます。もっと多くの人に参加してほしい」と呼び掛けている。(大津一夫)

ディジュリドゥはオーストラリアの先住民、アボリジニの伝統楽器。「世界最古の管楽器」と言われ、筒状の一方の先端から息を吹き込み、唇を振動させて音を出す。

本来は、シロアリに幹の中心部を食べられたユーカリの木を使う。会員が使っているディジュリドゥは講師の1人、県レクリエーション協会生涯レクリエーション推進部員の神谷靖人さん(71)=名古屋市守山区=が、塩ビのパイプで手作りした。長さ約1.1〜1.2メートル、直径約4センチと、扱いやすいサイズになっている。

ディジュリドゥを演奏することで、(1)息継ぎの繰り返しで肺の機能向上(2)唾液の分泌を促し、食べたものを飲み込む機能向上―が期待されるほか、グループ活動に参加することで閉じこもりや認知症の予防にもなるという。また、吹くと「ブゥオー」と響く低音に癒やしの効果もあるとされる。

平成18年11月、音楽療法士・近藤和子さん(53)=岡崎市福岡町=を講師に高年者センター岡崎で始まった。今年4月から市南部市民センター分館に会場を移した。

■息を吹き込み「ブゥオー」

教室ではまず、いすに座り足でリズムを取る体操。続いて4、5人ずつのグループでディジュリドゥを演奏する。受講者約20人は、頬を大きくふくらませて息を吹き込み、体でリズムを取りながら演奏。現在、「黒い瞳」「聖者の行進」など、5曲のレパートリーがある。

受講者のリーダー、神田武雄さん(69)は「講師がやさしく指導してくれるので、とても楽しい。受講者同士の会話も弾みます」と笑顔で話し、近藤さんは「ディジュリドゥを活用した活動は珍しい。もっと受講者の輪を広げたい」という。

問い合わせは、リーダーの神田さん(51―0165)へ。


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