東海愛知新聞バックナンバー

 7月20日【水】

■岡崎空襲などの犠牲者追悼

市主催 平和祈念式に遺族や市民

昭和20(1945)年7月20日未明の岡崎空襲など大戦の犠牲者と東日本大震災の犠牲者を追悼する岡崎市主催の平和祈念式が19日、岡崎市民会館で開かれた。またこの日、6月29日に移転したばかりの岡崎空襲の慰霊碑前でも民間の市民慰霊祭が行われた。(今井亮、岩月健)

同市は昨年までの「戦没者及び戦災死者追悼式」から、戦争や災害などを教訓に平和を願う「平和祈念式」に変更。戦没者・戦災死者の遺族のほか、市民にも参加を呼び掛け、会場の市民会館には約1100人が集まった。

全員で、戦没者・戦災死者をはじめ、東日本大震災の犠牲者に対して黙祷(もくとう)。式辞で、柴田紘一市長は「東日本大震災で亡くなった犠牲者の冥福を祈り、家族の安否が不明の方、多くの被災者に対し、心からお見舞いを申し上げます」と悼んだ。

その上で、「今日ある平和や安心な市民生活は、戦争などの犠牲者の上に成り立っている。悲惨な戦争の教訓を風化させることなく平和の尊さを語り継ぎ、悲劇を繰り返さないことが課せられた使命。過去を謙虚に振り返り、未来に向かって進むため、遺族や多くの市民に参加してもらう平和祈念式として、戦争や災害のない平和のために決意を新たにしたい」と述べた。

この後、参加者が壇上に設けられた献花台に花を捧げていった。

■守る会 移転後初の慰霊祭

岡崎市康生通西2のシビコ西広場に移転した「岡崎空襲の慰霊碑」の前では、同慰霊碑を守る会(岡田亮一会長)が35回目の市民慰霊祭を開いた。台風6号の影響で時折激しい雨が降るなか市民約30人が参列。犠牲者の冥福を祈って碑の前に献花した。

同市康生通南1の杉浦静子さんが空襲体験を語った。岡崎空襲の夜は警報とともに(現在の)康生の自宅から岡崎公園の藤棚へ避難。空襲が終わって自宅に戻ったところ、娘さん2人が焼死した近所の家の家族らが死体に水を掛けて冷やしたあと、箱に納めていた光景が忘れられない、と言葉を詰まらせた。

岡田会長は「移転後初めての慰霊祭に多くの市民が参列してくれてよかった。この機会に守る会の活動をもっと活発にしていきたい」と話した。

■岡崎空襲と戦争展

第22回戦争体験を語る会実行委員会は8月2日から9日まで市図書館交流プラザ(りぶら)で「岡崎空襲と戦争展」を開く。入場無料。

  1. 知っていますか?岡崎空襲
  2. 戦時中のくらしと子ども・学校
  3. 地域に残る戦争の跡
  4. 核のない世界平和をめざして

―の4テーマでパネル展示。昨年の展示会開催後発掘された新資料を加えて岡崎空襲を紹介する。


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