東海愛知新聞バックナンバー

 6月2日【木】

■学校再生への歩みを冊子に

岡崎市南中 全職員で「実践記録」まとめる

岡崎市南中学校は、「南中サミット」開催や「南中溌剌(はつらつ)太鼓」創設など、昨年度から始まった新しい学校文化創造の歩みを全職員でつづった実践記録『手づくり学校の挑戦―南中奮闘記』(A5判、178ページ)を出版した。8日に開く研究発表会で披露する。(岩月健)

同校は生徒が1054人、学級数は33、職員は56人の県内でも一、二を争うマンモス中学校。過大校ゆえの悩みも多く、昨年4月に赴任した岡田豊校長は着任あいさつに行った先々で「あの南中ですか。大変ですね。頑張ってください」と同情めいた言葉で激励されたという。

1カ月もすると、その意味が分かり始めた。

「赴任した当時は、毎日のようにさまざまな出来事がわき起こってきました。他校を巻き込んでの暴力事件、ネットによるいじめ、家出、虐待、対教師暴力等々」(奮闘記「はじめに」)―学校の厳しい現状を知れば知るほど変革の必要を痛感。合言葉を「元気な学校」と定め、職員・生徒とともにアイディアを出して学校再生に取り組んだ。

三河各地の「南中」8校が問題を共有して元気な学校づくりを目ざす「南中サミット」。

新しい伝統づくりに取り組み生徒が主体的に参加した「南中溌剌太鼓」。歴史と伝統を学び誇りの持てる学校づくりに生かそうと創作した新南中劇「南風に吹かれて―南中誕生物語」。全日本合唱コンクールで金賞に輝いた合唱部など、新生南中への足取りを担当教諭が愛情を持って文章にした。

また、昨年度に在籍した52人の職員が、学級経営、生徒指導、部活指導などの悪戦苦闘の日々を赤裸々に書いて感動を呼ぶ。

岡田校長は「多くの問題を抱えた本校で生徒と先生が心を1つにして学校づくりに取り組んだ奮闘の記録として、教師はもちろん保護者や一般の人にも読んでいただけたら」と話している。

希望者には1冊1000円で頒布している。問い合わせは南中学校(51―4664)へ。

同校は8日午後1時10分から、「自律をめざす生徒を支援する魅力ある学校づくり―『きょうどう』によるチーム・ザ・南中の実現」をテーマに研究発表会を開く。


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