東海愛知新聞バックナンバー

 11月27日【土】

再就職へ面接訓練

岡崎公共職業安定所
公開型の緊張感が効果的

厳しい雇用情勢が続く中、自己都合や会社都合で退職した人の能力を引き出し、再就職を支援する取り組みが岡崎公共職業安定所で行われている。面接の練習を公開して求職者に自分に足りないものを気付かせる手法は好評で、早期再就職の一役を担っている。(竹内雅紀)

同所では平成18年10月から不定期開催の「再就職支援面接対策ゼミナール」を始め、このほど30回を数えた。定員は30人で、20代後半から50代までの幅広い世代が集まる。

ゼミでは、民間企業で人事担当だった職員が、履歴書の書き方や面接に臨む姿勢、心構え、ポイントなどを一通り伝授。模擬面接では、職員が面接官となり、数人の求職者がほかの求職者に見られながら面接を行う。面接を受ける求職者は他人に見られるという緊張感を味わい、見学者は「自分の場合はこう答える」との想定をしながら、見守っている。

ゼミを監修する就職支援ナビゲーターの榊原由太郎さん(61)は「ほとんどの人は他人の面接を見たことがない。面接官の立場になって他人の受け答えを見ることで、どういう自己PRなら伝わるか、好印象を与えられるかなどの発見が必ずある」と話す。

これまでのゼミ受講者は約650人。うち6割超が受講後3カ月以内に再就職先を決めた。受講者からは「参考になった」「新たな発見があった」など反応は上々。特にスキルアップしたい人や再就職意欲が強い人にとっては効果的なゼミといえる。

磯部眞知子所長(57)は「ハローワークがどんな支援を行っているかを知ってもらう意味でも大事なゼミ。今後もこうしたフォローアップに力を入れたい」と評価している。

同所管内(岡崎市、幸田町)の9月末現在の有効求人倍率は0.74。「求職中にさまざまなスキルを身につけておくと後で役に立つ。1人でも多くの人にそうなってもらいたい」とエールを送る。


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