東海愛知新聞バックナンバー

 5月25日【火】

「永楽和全と甲山焼」

来月11日から岡崎の家康館
収蔵工芸品19点展示

6月11日から岡崎公園内の三河武士のやかた家康館で企画展「岡崎市コレクション展4 工芸 永楽和全と甲山焼」が開かれる。京焼の名工で5年間岡崎に滞在した永楽和全が残した作品や地元で生まれた甲山焼作品を展示する。(竹内雅紀)

第4弾となるコレクション展は工芸がテーマで、市の収蔵品の中から19点を公開。

千家十職などとともに名高い家柄だった永楽家の12代目和全は、京焼の技術を磨き、加賀九谷焼の指導もしていた名工。明治5(1872)年に弟子を連れて岡崎を訪れ、六供町の甲山寺裏山に窯を設置した。

岡崎での作陶、絵付けはわずか5年間だったが、教え子らが活動を続け、後に出現する甲山焼の基礎を築いた。甲山焼は良質な土を購入する資金不足などが原因で、同25年に終焉した。

企画展では、和全が手掛けたり指導に当たったりした「光琳絵写(こうりんえうつし)片口鉢」や「瓶掛」、「菊竹紋魁字(きくたけもんかいじ)鉢」、岡崎永楽として継承した弟子らが作った「鳳凰絵中皿」、甲山焼「鳳凰絵水差」などが並ぶ。

市民文化部文化国際課では「数年前に岡崎市美術博物館で紹介して以来。夏休みの時期も公開しているので、特に小中学生には『岡崎にも焼き物があった』ということを知ってもらいたい」としている。

9月8日まで。入館料は、中学生以上350円、小学生以下200円。ただし、市内の小中学生は無料。


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