東海愛知新聞バックナンバー

 3月3日【水】

24年度末で廃止へ

市民休養施設 桑谷山荘
岡崎市議会代表質問

岡崎市議会3月定例会は2日、本会議を再開。代表質問に入り、稲垣良美議員(自民清風会)と原田範次議員(ゆうあい21)が登壇した。(山本浩禎)

稲垣議員が、市民休養施設・桑谷山荘の今後の方針についてただした。

柴田紘一市長は「桑谷山荘は昭和45(1970)年7月、市営国民宿舎として開設された。その後、市民検討委員会からの提言を受けて、平成18年1月からは市民休養施設として、開設から今日まで約40年間にわたり140万人の利用をいただいている」としたものの、「昨年11月に建物及び設備関係の現状診断と今後予想される改修内容や経費、時期について調査した結果、電気と空調設備は能力の限界に近い状態に達しており3年以内の修繕・更新・改修措置が必要としている。一方、建物の内外装・外構と衛生設備は中期の劣化状態にあり5年以内の措置が必要といい、引き続き営業していくためには電気、空調、衛生設備の老朽化による大規模改修が必要となり、ここ数年で総額6億3,400万円、これに加えて管理委託費が毎年1億円程度必要となる」と述べた。

そのうえで「厳しい財政状況、昨今のレジャーの多様化、民間宿泊施設の充実など諸般の状況などを勘案し、果たして行政が宿泊施設の事業を展開する必要性が問われているのではないかと考える」とし、「平成24年度末を目途に廃止する方向で、関係者、関係機関と協議していきたい」と答えた。

■旧本多邸復元の理由・必要性は

また稲垣議員は、旧本多邸の復元活用事業を進めていく理由・必要性と、復元後の活用方法について尋ねた。

江村力教育長は、旧本多邸復元活用事業推進の理由・必要性について、

  1. 文化財的価値が高い物件であり、復元してこそ、その価値が現実のものとなる
  2. 寄付された相手方との約束と、岡崎市としての信義の問題がある
  3. 市民協働の事業として徐々に盛り上がりを見せている
  4. 建築部材の劣化が進んでおり、これ以上先延ばしできないと判断されること
  5. この事業に充当する予算の目途が立ったこと

―を挙げた。

復元後の活用について古澤吉則教育部長は「文化財としての価値を下げないようにするため、公共施設として必要な設備以外はオリジナルの復元とし、建築基準法上の建築用途は『美術館・博物館』として位置づけた」としたうえで、「ワークショップ『旧本多邸を考える市民会議』からの提案を『旧本多邸活用検討委員会』で検討を加え、同委員会から最終的な活用計画案が提言された」とし、基本方針として「本多邸を見せる、情報発信する」ことと「施設を使い、活動を促す」ことを両立させるべく「良質な歴史資産を市民が守り上手に活かす施設」とすることを目的として掲げ、具体的には

  1. 部屋・家具自体を展示品として見せる部屋
  2. 貸しギャラリーや企画展示などに使用する部屋
  3. 交流を促すサロンとして使う部屋
  4. 喫茶室として使う部屋

―などを想定していることを明らかにした。


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