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東海愛知新聞

「徳川家康の平和思想」

12日 岡崎の長誉館で講演会

 松平家・徳川将軍家の菩提寺、大樹寺(岡崎市鴨田町)の責任役員成田敏圀さん(78)が、12日午後1時から岡崎市中町の長誉館で「厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど」と題し、徳川家康の平和思想について講演する。主催は志葉会。  「厭離穢土 欣求浄土」は家康の旗印。その意味は、苦悩の多い穢けがれたこの世を厭いとい離れたいと願い、心から欣よろこんで平和な極楽浄土をこいねがうこと―。
 幼少時に人質となり、祖父清康と父広忠を殺された。生母於大と別れ、正室築山御前、長男信康をも失った家康。戦国の世を生き抜く思想として「厭離穢土 欣求浄土」を掲げ、江戸時代265年の太平の世の礎をつくった。
 約30年にわたり大樹寺と深くかかわってきた成田さんが、貴重な資料などを示しながら家康像を解き明かす。
 当日は午前11時から勉強会、昼食後に講演会。参加費は、午前からが昼食代・おやつ代を含み大人1,500円、学生1,000円。講演会のみは大人1,000円、学生500円。準備のため、参加希望者は7日までに志葉会主宰の辻本桂子さん(0564―32―1053)へ。

「原点は大樹寺」
講師の成田さん
 「家康公の平和思想の原点は大樹寺です」と成田敏圀さん。桶狭間の合戦で、今川方の松平元康(後の徳川家康)は義元が討たれて身の危険を感じ、大樹寺に逃げ戻った。窮地に立たされ、先祖の墓の前で自害しようとすると、住職の登誉上人が諭した。
 「お前の役目は戦国乱世を住み良い浄土にすることだ」。その場で家康に授けた言葉が「厭離穢土 欣求浄土」だった。
 「この時の2人の問答を読み下し文にして参加者に差し上げます。この問答は私が仏教大学の卒論に使った資料です。もうひとつ、家康公が二代将軍秀忠の妻にあてた『庭訓状(ていきんじょう)』について話します。子どもの教育、トップたる者の心得についてしたためたもので、まだ世に出ていません」
 成田さんは会社役員をしながら大樹寺の檀家総代を務めた。役員退任後の行く道を仏教と定めて仏教大学の通信教育で学び、僧侶の資格も取得。15年前から大樹寺の責任役員として寺の経営に携わっている。

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